はなこの雑記

アジアをフィールドに文化人類学を学ぶ大学生の雑記です。

【日曜まで】21_21 DESIGN SIGHT「野生展」に行ってきた

21_21 DESIGN SIGHTの「野生展:飼いならされない感覚と思考」を見てきました

www.2121designsight.jp

 

 

 

21_21 DESIGN SIGHTは単位展ぶりに訪れます。ユニークで楽しい企画展でしたね。

単位展は2015年の2月から5月だったので、もうあれから3年経つとは・・・早いなぁぁ。

 

 

 

 

今回の展示に興味を持ったのはディレクターが有名な人類学者中沢新一さんだったから。

明治大学の「野生の科学研究所」というところの所長さんです。最近は多摩美術大学に芸術人類学研究所なんてものを作って活動も広げているらしい。

レヴィ=ストロースなどの人類学、南方熊楠などの民俗学チベット仏教の思想研究を融合した「対称性人類学」という概念を提唱している人です。

 

 

中沢先生、分野横断的に精力的に活動しているので憧れているのですが、同じ研究室の某主席氏にそれを伝えると「えっ」と言われてしまいました。笑

 

色々な意味でコントラバーシャルな人だからですかね。

例えば、中沢先生が日本におけるチベット仏教ブームを引き起こした一人であり、オウム真理教の事件はチベット仏教ブームの流れの中にあったという点。実際オウム真理教への影響も大きかったみたいです。

自ら「グル」になろうとした中沢新一ら研究者たちの罪と罰 - 日刊サイゾー

 

そういえば、オウムと関わりが深かった学者というと島田先生がかなり批判されていますね。島田裕巳 - Wikipedia

 

私は森達也監督のオウムに関する映画「A」「A2」を見て、必ずしもオウムは極悪だ!とは言えないのかもなぁと思っているのですが(虐殺行為はNO)、いかんせん勉強不足なのでこの点についてはまだ意見しないことにします。

 

 

 

A [DVD]

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A2 [DVD]

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あと、中沢先生が批判されがちな点としては、学者ではあるがアカデミアとは離れたところにいてタレントじみているという点、レーニン(ロシア革命)賛美の本を書いたという点・・・かなぁ。

 

 

いずれにせよ・・・個人的には中沢先生のあくなき探求を続ける姿勢は見習いたいと思っています👀

ちなみに最近はこちらの本を読んでいる途中です。 

 

 

 

ええと、展示の話。

 

 

 人間の文化と生活には、心の土台となる「野生」の能力が欠かせません。私たちのもつ本能であり、知性でもある野生は、創造力に大きな刺激を与えるきっかけになります。たとえば、明治時代の日本が生んだ大博物学者、南方熊楠(みなかたくまぐす)は、偶然の域を超えた発見や発明、的中(てきちゅう)を「やりあて」と呼び、それを繰り返すことで、粘菌学の領域をはじめ神話学や民俗学にも優れた足跡を残しています。熊楠のような思考の跳躍は、ものづくりや表現の歴史においても、度々その例を見いだすことができます。
 理性や合理性ばかりが前面にあらわれる現代においても、野生の感覚と思考は、いまだ失われていません。中沢は、「私たち人間の内に潜み、『まだ飼いならされていない心の領域』こそが、今まさに大切になってきている『野生』のすみかである」と言います。

 現代における野生とはなにか。自身の内に潜む野生をどのように見いだすのか。見たことのない物事の意味をどのように理解し、表現するのか。本展では、現代の表現者たちのもつ野生の魅力に着目し、さまざまな作品や資料を通して、その力を発動させるための「野生の発見方法」を紐解いていきます。

21_21 DESIGN SIGHT | 企画展「野生展:飼いならされない感覚と思考」 | 開催概要

  

 展示品のうち、いくつか心に残ったものを紹介します(*^_^*)

 

 

①「水の切り株」

鈴木康広「始まりの庭:水の切り株、土の切り株」

 

結露となった水がぽたりぽたりと落ちてきて、年輪を描きます。

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屋外にあるのは「土の切り株」。外に放置していた「水の切り株」から着想を得て作った作品だとか。

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②渡邊拓也「道具と作ることのインスタレーション -case1-」

 

遠くから見ると何かパッとわからないけどよく見れば我々の生活用品。

 

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③aircord「Finding Perceptions」

 

www.youtube.com

 

音といい画面といいなんともいえず心地いい・・・・です。

 

 

 

④ナイジェリアのお面

 

body maskというお面がユニークで気に入りました。これ顔につけるんだ・・・。

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う〜ん、なんとも。

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⑤キティちゃん

 

自然と文化の中間にあるもの、水の世界と陸の世界にあるもの、生物と死物の中間にあるもの、つまりはどこのカテゴリーにも属さないものを表現しようとするとき、日本人は絶妙な「かわいい」の表現を生み出してきた。

 

という説明書きがとても面白いと思いました。

「かわいい」概念の説明をカテゴリー分類に求めるとは・・・。

でも自然と文化の中間(まず、この2つを二項対立的にするのはあまりアレだと思うんだけど)は擬人化とかにしばしば見られるのでわかるとして、他はあんまし例が思いつかなかった。どうなんだろう。

 

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ご当地キティってちょくちょく「キモい」のもありますよね、これがkawaiiなのかな。interesting。

 

 

 

次に行ってみたい展示は国立科学博物館でやってる「古代アンデス文明」。

2月18日までだから忘れないようにしなきゃ。

www.kahaku.go.jp