はなこの雑記

アジアをフィールドに文化人類学を学ぶ大学生の雑記です。

Nスペ 「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」のまとめと感想

NHKが開発した社会問題解決型AIとともに日本の課題を考える大型番組。

 

NHKで初めての司会らしいマツコ・デラックスさん、

AIにひろしと名付けさせるセンスから輝いてます笑

 

元となるのは、様々な分野に関する膨大なデータ30年分700万件
+1万5000人の人生を10年以上にわたって追跡したデータ。

 

AIが連動する情報を見つける方法はパターン認識」「ディープラーニングという
人間の思考方法とは全く異なる方式です。


データ同士の因果関係はわからないが、

連動するあらゆるデータを瞬時に見つけることができます。

その際、データの意味などは一切気にしないので、人間にはとても思いつかないような独創的な提言がなされるのです。

 

目次

 

 

 

★健康になりたければ病院を減らせ

えっ?!普通逆では?

と思いますよね。


※ここでいう病院=病床数、です。

 

AIが示したところによると、
病床数が減ると、ガン患者も、脳血管疾患死亡者数も、
65歳以上死亡者数(男性)も減り、

女性の平均寿命は増えるそうです。

 

「なぜ?」

は、現時点ではまだ人間が考えなければならないらしいです。
理由や因果関係は教えてくれないのがAI。 

 

なお、AIはタイムラグも調べているので、病床数が減った←健康になった、という逆の順番ではないそうです。

 

北海道夕張市では、ミクロレベルで、AIの提言と同じことが起きているそうです。

唯一の総合病院が閉鎖され、病床数は10分の1になったのにもかかわらず、町の人は以前より健康になりました。

 健康への危機意識か?と番組では言っています。

 

(個人的には、「病気が見つからないというだけでは?」とも思いますが)

 

「病院数が減るとバナナの購入額が増える」という一見突拍子も無い連関をAIを示していたのですが、夕張市では健康への配慮からバナナを買うという人が実際に多くみられました。

 

また、夕張市では自ら率先して草刈りや清掃活動をする人も増えたそうです。これも「病院数が減ると、ボランティアや社会活動が増える」というAIの導き出した連関に合致しています。

 

病床数が減った街に対する予想外の変化に、日本の未来の危機を回避するヒントが隠されているのではないか。と番組はまとめています。

 

面白いのは、夕張のデータはAIに入ってないということです。

 

 

病院数が減ると、パートタイム労働者数、スポーツ平均時間、買い物平均時間などが連鎖して増えているので、実際には健康になるための鍵は「活動的になること」なのだろうと専門家はいいます。

 

「病床数を減らす以外の手段でも、活動的になれば人々は健康になる」

とももちろん言えるのですが、

「活動的になれ」だけなら誰でも言えるが、病床数を減らすくらいのことをしないと人間は変われないのかもしれない。

とマツコさんはまとめていました。 

 

少子化を食い止めるには結婚よりも車を買え

 

「車を買うほどの経済的、精神的余裕がある

→経済的、精神的余裕が必要な子育ても可能に」

 

ということかな?と予測を立ててみましたが、だいたいそんな感じでしたね。



AIによると、婚姻件数が増えると、
即席麺購入額減り、スポーツ平均時間増え、パック旅行増え、
ガン死亡者数減り、心疾患減り、死亡者数減り、自殺者減り、
景気も良くなる。
いいことづくめ!!

結婚は社会を幸せにする、ということでした。

(なぜか中学生男子の足はなぜか遅くなるというデータもありましたが笑)

 

 

ただし〜〜〜
出生率の値は逆に減ってしまうのです。

 

結婚増えれば出生率上がると思いきや、違うんですね。

 

他にも、できちゃった婚(子供が生まれてから結婚)率が増えても、出生率の値は別に連動しないということらしいです。

 

また、平均婚姻年齢(初婚男性)も連動しないそうな。

(初婚女性の平均婚姻年齢の方も気になってしまいましたが、

叩かれそうなので言わなかったのかな・・・)

 

 

合計特殊出生率と連動しているのは

製造業付加価値額。
それと連動しているのは乗用車保有数。だそうな。

 


だから「車を持てば出生率も上がる」ということ。

 

実際、子供持つ時って経済的に不安ですよね、

特に二人目、となると。

 

だから自動車という高額商品を買えるくらいに経済的余裕が出ると、

子供を二人、三人、と持つようになるそうです。

 


ただ、今の時代、自動車って過去の(新)三種の神器的なものではもはやないですよね。

 

次は自動車に変わる高額商品が指標になるのだろうと予測が立てられていましたが、

それは何なんでしょうね。まだ生まれていないものなのかもしれません。

これを読み解くのは人間の仕事です。

 

 

 

★ラブホテルが多いと女性が活躍する

 

結果を見る前に予測を立ててみます。

以前のアルバイト先の先輩がラブホテルでアルバイトをしていた経験があって(笑)、

彼曰くラブホテルの利用客は明らかに不倫っぽいカップルや売買春がほとんどなのだそうです。

 

確かに、結婚している男女はラブホテルを利用する必要はないし、

「普通に」交際している男女の場合はお互い実家暮らしの場合を除いて基本的に利用しなそうですもんね。

 

ラブホテルができる
→婚外恋愛の場ができる

→女が出会いを求めて社会に出るようになる

 

ラブホテルができる

→男が結婚しなくても性欲を解消できるようになる

→女性が家庭に縛られない傾向が高まる

 

とかかなぁ・・・?矢印の方向が逆の方が自然に予測たてやすいんですけど、ちょっと無理ある感じになってしまいました汗

 

 

テレビの意見を見てみましょう。


現代のラブホテルは外国人観光客の宿泊地ともなっており、日本政府は東京オリンピックに向けラブホテルも利用する方向にあるという。

そのラブホテルが増えると、平均仕事時間(女性)増える、所定内給与(女性)増える、女性の平均寿命増える。=女性が社会で活躍する。
 

こんにち、ラブホテルの使い方は変わってきています。
女子会プランがあったり、女子が一人で宿泊・休憩できるため、終電を逃した女性が泊まれる場となっていたり。

(女子会プランがあるのは知っていましたが、私は利用したことないんですよね・・・女性が一人で泊まれるというのは初耳でした。これを機に利用してみようかなあ)

 

婚前交渉が禁止されていた時代を考えると、性交渉が自由になってるというのが女性の活躍に結びついているのかも、と専門家は判断していました。

 

面白かったのが、ラブホテルが増えるとバナナの購入額は減るらしいということです(^◇^;)AI!w

 

一方、ラブホテルが増えると婚姻件数減る、できちゃった婚増える、40代以上の未婚率が増える・・・

という影響もあるみたいです。

 

 

確かに、みんなが自由を謳歌するだけだと出生率や婚姻数は下がりますよね。


財政力、スポーツ平均時間、住民税なども減ってしまうみたいです。

 


★男の人生の鍵は女子中学生のぽっちゃり度

 

これは理由を判断するのが極めて難しい提言です・・・

私はイマイチ理由が思いつかなかった汗


女子中学生の肥満指数=BMIが上がると、健康問題にはもちろん繋がるのですが、一方年が離れた男性の人生にも大きく影響するらしいです。
例えば、30代前半の未婚率増加、40年代の離婚率増加、
趣味・娯楽平均時間の減少、ボーナス減、失業率増・・・
などなど。

一方で、大卒初任給増、平均寿命増、といった良い面もあります。

 

専門家は、間に一つ補助線が必要なのでは?といっていました。

(例えば、女子中学生が痩せると日経平均株価が上がる・・・とか。)


こういう難しいテーマの読み解きでは、全体像を見直すことが大事なのだそうです。

 

女子中学生が活動しない社会は全体として活動量が少ないのでは、とか、

貧困も可能性あるかも(肥満率は、貧困世帯の方が多い。思春期の女子は影響を受けやすい=炭鉱のカナリヤのように最初に反応する指数なのかも。)とか、

 

ちなみに男子中学生の肥満指数は、女子に比べてあまり影響を与えないため、女性の方が社会を引っ張る力大きいのかも、

 

とか色々解釈がなされていましたが

「これだ!」という説明は難しいようです。

 


★40代一人暮らしが日本を滅ぼす

 

これはショッキングですよね・・・。

AI曰く、40代一人暮らしが増えると、
自殺者数増える、生活保護費増える、出生率減る・・・・などなど日本の未来にとって悪い影響がたくさんあるそうです。

現代の40代は、最後のバブル〜就職氷河期までいろんな経験を持った人たちがいますよね。

 

AIによると、日本の未来を動かす鍵として、
1位は核家族世帯数
2位は40代一人暮らし数
3位は病院数

が重要となってくるらしいのですが、

全人口の2パーセント、249万人「しか」いないのに
相当の影響力がある40代一人暮らし層。

ここが変わると、社会ががっと変わるそうです。

 

 

 

40代一人暮らしの特徴として、公的なサポートに頼る人が全体的に多い、親の世代も孤立している、と言うことがありました。
キーワードは「孤立社会」。40代一人暮らしが増える社会では、他の世代の一人暮らしも増えます。したがって、救急車や生活保護など公的なサポートも必要になってくる、と言うことでした。


逆に考えれば、40代一人暮らしが良くなれば社会全体も良くなる可能性も高いです。

では、社会はどうすればいいのか?・・・これは、人間が考えねばならない問題だそうです。

 

 

問題を解決するには対象を分類するのが大事ですよね。

AIが、40代一人暮らしをタイプ分けしたところ、

男性の場合は
①仕事バリバリタイプ38パーセント
正社員、残業も厭わない、よく噛まずに食べる、といった特徴があります。

②結婚したくてもできないタイプ 33パーセント
月収20万以下が多く、タバコも良く吸う、レジに割り込む人も多い、とあります。

③現実逃避タイプ
非正規社員、健康上の不安を抱えている人が多い。
子供の頃の宿題は期限が過ぎてから、ギャンブルを良くやる、友達は多いといった特徴があります。

 

女性の場合は
①充実キャリア 一人で楽しいタイプ 55パーセント
スポーツやる、仕事生きがい、周りは気にしないけど孤独も感じてる、と言う人々です。

②結婚はこりごりタイプ 22パーセント
離婚している人が多く、人は信用できない。朝食は食べない、競争が楽しい、といった特徴があります。

③日々に不満タイプ
非正規社員、貯蓄なし、充実感なし、周りはみんな幸せだと思っている、1日間ビール三本、といった特徴があります。

 

・・・・と言うように分類されました。

 

40代一人暮らしもいろいろなので、その人それぞれにあったアプローチが必要ですね。

 

 

 

一方、どうすれば40代の一人暮らしが減るのか?と言う問題。

AIが出した答えは「家賃を下げれば一人暮らしが激減する」というもの。

1坪あたり家賃を千円下げれば38万人の一人暮らしが減るらしいです。(例えば、10坪8万円→7万円)これってかなり大きいですよね!

 番組には、家賃のせいで一人暮らしを抜け出せないという男性が出ていました。
住宅を貸す側から言うと、大家さんが儲かるのはほとんど一人暮らし用なんですね。月12万を2つ作るより、月8万を4つ作った方が良いので。

家賃高騰→マンション建設盛んに→一人暮らしが集まる地域ができる・・・と言う連鎖が起こるそうです。

 

 

 

番組では、シェアハウスだけではなく、コレクティブハウス(いろんな人たちが緩やかなコミュニティを作りながら暮らす共同の住まい)などの可能性にも注目していました。

結婚以外の選択肢がありなら可能性が広がりますよね。

 

 

ところで、番組では40代で一人暮らしになる可能性をはかるチャート、

と言うのがありました。

 

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私は見事100パーセントでした笑

今のところそう言う計画ではないのだけれど・・・。苦笑

 

 

 

***

 

AIは必ずしも解決策を提示してくれると言うものではなく、

予測できないものに対してヒントを与えてくれる存在なのですね。

社会がどうすれば良くなるか、私たち人間が考え続けていかなければならない問題だと思いました。