はなこの雑記

アジアをフィールドに文化人類学を学ぶ大学生の雑記です。

イランの映画監督

 

イランの映画が好きだ。

 

ハリウッド映画や邦画にはない、異国情緒を楽しめるからというのもあるし、

子役ものが好きで、イランの映画は検閲の問題上子どもを主役にしたものが多いというのもあるし、

イスラームらしいともいえる、露骨でない繊細な感情の表現が好きというのもあるし、

検閲を避けるための比喩的な表現が一種の美しさを有しているというのも魅力だろう。

 

 

でもイランの映画ってまだまだあまり知られてない。

もっとみんなにも見てほしい。

ということでここでは推しイラン映画監督7人とその代表作について述べて行きたい。

 

 

1 アッバス・キアロスタミ

イランを代表する巨匠といえばこの人。小津安二郎のファンらしく、その影響が随所に見られる。

 

友だちのうちはどこ?

友だちのノートを間違って家に持ち帰ってしまった少年が、ノートを返すため友だちの家を探し歩く姿を描いた、子供についての映画。

 

桜桃の味

人生に絶望し自殺を決意した男が、ひとりの老人に出逢い、世界の美しさを教えられるというシンプルな物語を、繊細かつ大胆な演出で描き出す一編。

 

2 モフセン・マフマルバフ

最近公開された「独裁者と小さな孫」でも知られる。

10代半ばでイスラム主義に傾倒し、15歳でパフラヴィー朝を倒すための地下活動に参加、17歳の時に警察官を刺傷し逮捕され死刑判決を受ける。4年半に渡り獄中生活を送り、1979年のイラン革命の際に釈放される。

イラン政府による検閲に抗議し、2005年イラン大統領選挙後にイランを離れ、2009年イラン大統領選挙以降はパリに居住している。マフマルバフによると、イラン出国以降の10年間で4回イラン政府から暗殺されそうになったという。(wikipediaより)

・・・っていう、ものすごい壮絶な人生である。

 

カンダハール 

アフガニスタンで貧窮の中に生きる人々の実相を詩的な映像で描き出した作品。

 

独裁者と小さな孫

クーデターで地位を追われた独裁者と幼い孫の逃亡の旅を描いたヒューマンドラマ。

 

3ハナ・マフマルバフ

モフセン・マフマルバフの娘さん。

子供の情景

 

破壊された仏像が瓦礫となって残るアフガニスタンバーミヤン。そこで暮らす6歳の少女バクタイは学校に通うことを夢見ていたが、実際は鉛筆とノートを買うお金も持っていなかった。バクタイは文房具を買うお金を稼ごうと待ちに卵を売りに出かけるのだが……。

 

4ジャファール・パナヒ

カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭の賞を受賞した経歴を持つにも関わらず、反政府運動を含むさまざまな理由で逮捕され、その後も当面の間映画製作、国外への出国、そしてマスコミとの接触を禁じられる。

彼に関するドキュメンタリーこれは映画ではないもある。

 

白い風船

お金を落とした少女が体験する冒険を描く、詩情とみずみずしさあふれる児童映画の秀作。

チャドルと生きる

 

イランの厳しい環境の中で生きる女性を描いた、イスラム社会を鋭くえぐる問題作。

 

5アスガー・ファルハディ

他の映画監督に比べて「素朴なイラン」を押して来ない、普遍的な人間描写が印象的。

 

彼女が消えた浜辺

イランのミステリー。セピデーは離婚したばかりの男友だちに紹介しようと、幼稚園の教師エリを誘い、カスピ海沿岸へバカンスに出かける。美しい浜辺にある古い別荘にたどり着き、穏やかで楽しいひとときを過ごす。しかし翌朝、エリはこつ然と姿を消し、浜辺では子どもがおぼれていた。捜索が始まり、セピデーはエリのことを名前以外、何も知らなかったことに気づく。

別離

離婚の危機を迎えた夫婦を軸に、両親をつなぎとめようとする娘や、彼らの問題に巻き込まれてしまうもうひとつの家族の物語が絡み合い、複雑な人間心理を描き出していく。

 

6マジッド・マジディ

俳優から監督に転身した人。私が初めて見たイラン映画はこの人の「運動靴と赤い金魚」。最近出て来ない。

運動靴と赤い金魚 

運動靴をなくした小学生兄妹の姿をあたたかく見つめたドラマ。

少女の髪どめ

 

イラン人の若者がアフガンの少女に無償の愛を注ぐ物語。

 

バフマン・ゴバディ

婚約者はジャーナリストのロクサナ・サベリ。バフマンは、ロクサナが2009年にイラン国内でスパイ容疑で拘束された際、彼女と婚約していることを明かすとともにメディアに向けて無実を訴えた。
2009年の『ペルシャ猫を誰も知らない』を監督後、現在に至るまで国外亡命を続けている。(wikipedia)

クルド人。この人もなかなか壮絶な道を歩んでるなぁ。

 

ペルシャ猫を誰も知らない

ヘランのアンダーグラウンド・ミュージック界を題材に、17日間に渡る無許可ゲリラ撮影を敢行して撮りあげた青春群像劇。西洋的な文化が厳しく規制されているイランで、当局の目をかいくぐってバンド活動に熱中する若者たちの姿をリアルに描く。

 

 

 

いかがでしょうか?

 

みなさんがイラン映画に触れるきっかけとなれれば嬉しいです!